5秒。
わずかな差が、余裕をもたらす。
繁田あす香さん(27)がいつもの通勤風景の変化に気づいたのは、1年ほど前のことだった。
新静岡駅(静岡市葵区)でバスを降り、静岡鉄道に乗り換えて、職場に近い狐ケ崎駅まで通勤している。利用するのは午前9時台。この8年半、変わらぬ習慣だ。
いつものように、車両のドアが開くと同時に飛び出していく人。しゃべりながら並んで歩く人。
続いて、ベビーカーを押してホームに出る人がいた。なんだか普段より落ち着いているように見えた。
「あれ? ドアが開いている…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル